私は手で溢れる涙を拭った。
待って!
まだ逝くには早いよ。
まだまだ伝えたいことがいっぱいあるの!
まだまだ一緒にいたい。
サヨナラなんてまだ言いたくないよ…
「夏希、ありがとな……俺を好きになってくれて」
私は頭を横に振った。
それは、私のセリフだよ…?
「自信を持って、いつまでもそのままの夏希でいてくれ」
今度は頭を縦に振った。
幸信に教えてもらったよ。
私は自信を持たなきゃいけないって、
勇気は一瞬だけだって、
その、たった一瞬だけの勇気だけで世界は180度変わるって…
感謝しないといけないのは私の方。



