本当、幸信の言う通りだ。
泣きすぎだね、私。
「泣くな…」
幸信は私にゆっくり近づき、私の額にキスを落とした。
きっと、幸信の温もりは心地良いんだろうなって思う。
もちろん、そんなことはわからない。
幸信が生きていたらどんなに幸せだろう…
だけど、そんなことはもう言わない。
だって、幸信の命と引き換えで私は生きているんだから……
そんな贅沢を言ったらきっとバチが当たる。
「好きだよ、夏希……」
「ありがとう」
私に幸信は恋をしてくれた。
私を好きだと言ってくれる。
私の傍にいてくれる。
それが、一番のありがとうだよ。



