頭の中で今後のプランを練りながら昇降口に向かっていると…





―どんっ!!


「いった…」


誰かに背中を思いっきり叩かれた。




「美紅お前…いつもより顔がひどいぞ。」


「…悪かったね。」



今一番会いたくない人物…すなわち翔が現れた。




…何故か翔はいつもより機嫌が良さそう。

いつもとオーラが違う気がする。





「なんであんた今日そんな機嫌いいの?」


「んなもん決まってんだろ。今日が後夜祭だからだ!!」



満面の笑みで言ってくる。






や、やばい…
また心臓ドキドキしてきた…
こいつが満面の笑みなんかするから!!







ん?待てよ?


あぁ…そうか。


翔は好きな子と踊るんだ。
だからこんなに嬉しそうなんだ。
翔の好きな子が誰かは知らないけど…。



そう考えると急に胸がきゅっと締め付けられた様に苦しくなった。