隣人の狂気

俺が駆け寄って死体を眺めた場所へ立ち止まり、当時の様子を思い返してみた。

彼女の死に姿がありありと脳裏に浮かぶ。

少しの間思いを馳せていたら彼女の顔があった場所を、何も知らないであろう小学生が踏みつけて通り過ぎて行った。

知らなければそんな物だ。

車で走っていれば至る所に死亡事故現場を示す看板がある。

でも個人的には無関係な事故には誰だって無関心で、何の感傷もなく通り過ぎるのだ。

そんな物だ。