勤と竜二は、息を殺し木陰に身を隠して声のする方を見詰める。

 すると、遠くの方からうっすらと、デュラハンが近付いて来るのが見えた。

 「勤、どうする!」
 「そうだな、下手に動かない方が良いだろう」
 「解った、そうしよう」

 そう言って、木陰にじっと身を潜め様子を窺う事にした。

 暫くすると、デュラハンは勤達の10M程先迄迫って来た。

 勤も竜二も、心臓が潰れそうな程ドキドキしている。

 〈ヒヒヒーーーンブルルル…〉

 馬の鳴き声が、更に恐怖感をあおり、更に鼓動を速くする。

 バクンバクンバクン……

 今にも壊れそうな程の激しい鼓動が、外に聞こえてしまいそうな位に体内で鳴り響く。