皆は、再び森林や街の中へと散らばって行く。

 もう既に、4人が殺されている。

 こんな調子で、後19日程も逃げられるのだろうか……。

 そう思いながら身を潜め、ただ時間が過ぎるのを待つ。

 デュラハンは、街へ、森林へとフーーッと現れては、また霧が晴れるかの様に消えて行く。

 神出鬼没の残酷なハンター。

 皆は怯え、常に神経を研ぎ澄まし辺りに気を配る。

 何時、何処から襲われるとも知れぬ恐怖感が皆を包み、周りで少し物音がしただけで心臓が潰れそうな位にドキリとする。

 息を殺し、早く時が過ぎるのをガタガタと震えながら待ち、今生きて居る自分を確かめる。

 ゴーンゴーンゴーン…………

 そして、遂に時が1の刻を告げる。

 一日の終わり、後19日……。