誰かが居る……この冷たい視線……身も凍る様な闘気……奴だ…………。

 デュラハンが直ぐ傍に居る……。

 そう思った瞬間、大気が奮え空間に歪みが現れバチバチと雷鳴の様な閃光が走った。

 〈ヒヒヒヒヒヒーーーン………〉

 そして、その歪みの中から馬の嘶きが聞こえ、首の無い黒馬がヌーーッとその姿を現す。

 頭部の無い首が嘶きながら現れ、前脚がスーーッと延びる。

 そして、その背中に緑に包まれた捜し求めていた男、デュラハンが溢れんばかりの闘気と威圧感を湛えこちらを見据えている。

 今までとは何かが違う……。