暫く様子を窺っていたが、デュラハンは全く動く気配は無く川辺に立ち尽くしている。

 「どうする、行くか」

 剛がそう言った。

 もし、あのデュラハンが本物で有ればチャンスだが、また幻覚であれば……。

 皆の頭の中に様々な思いが過ぎり、駆け抜けて行く。

 そして、下した決断は……。

 「よし、行こう」
 「皆……本物で有る事を願いましょう…………」

 そして、皆はゆっくりとデュラハンに近付いて行き、背後から一斉に切り掛かって行く。

 「うおぉーーーーっ」
 「やあぁーーーっ」

 そして、デュラハンは背後から攻め入るそれに気付き素早く馬に乗り、斧を構え迎え撃つ。

 〈小癪な……雑魚どもめが〉