よしっ、試してみよう。

 猫の身体に、紐を結び付け人気の無い池に投げ込む。

 ザパーーーーン

 と音がして、猫が水の中へ沈んで行く。

 そして、猫は慌てて水をかき水面へ顔を出した。

 〈アハハッ……〉

 〈頑張れ猫ちゃん!〉

 猫は、必死に足を動かして浮かんでは沈み、浮かんでは沈みしながら、必死に泳いで陸に戻ろうとする。

 でも、泳ぎは得意じゃないのか、段々と沈む回数が増えて来た。

 〈頑張らないと沈むぞッ〉

 ジタバタとして、たまに鳴き声を上げる。

 「ニャ……ニャゥ゙……」

 そして、沈んでいる時間が長く為り、陸まで後少しという所で、水の中へ没して行った。

 〈ウヒョッ……〉

 私のすぐ目の前で、口をパックリと開けて、最後の空気の泡を、プクリと吐き出して……。