事情を話すと快く家においでと言ってくれた。
その言葉に甘えてタクシーで真紀ちゃんの家へと向かう。

家に着くと笑顔で真紀ちゃんが迎えてくれた。

『何があった?』

真紀ちゃんが苦い顔をして聞いてくる。

『あのね‥
龍楴が飲み会行ったの。

そこに女の人も居たんだって。
まぁ、そこはどうでもいいんだけど‥

その女の人に言い寄られてたんだよ?

私には男がどうの言うクセに、自分がしてんじゃん!って喧嘩になってさー

顔も見たくないって飛び出してきたの。』

あはは、と笑いながら真紀ちゃんが答えた。

『だから携帯鳴りっぱなしなんだ』

確かに先程からブー、ブーと一定にバイブが鳴っている。
龍楴からの着信だ。

その音にもイライラして携帯を開いて電源を落とす。

『もう、ほんと知らない。』

それからは、他愛ない話しをして過ごした。

気が付くともうすぐ終電の時間になるところだった。
私は急いで自分の持ち物をカバンに入れ、帰る用意をする。

『じゃあ真紀ちゃん。
ありがとう♪』

『いいよ。
また明日、仕事でね。』