『みおん‥‥まじで悲惨。』

何が悲惨なのか全く分からないが、きっとメールの事だろう。

『どうしたの?』

『ちょっとこれは‥
親友として許せないね』

真紀は渋い顔をしながらパッと携帯の画面をわたしに向けてきた。

画面に並んでいる文字は


―なんでいつもより返事が遅いんだ。
浮気してるんだろう。
この尻軽女―


『‥‥‥‥‥‥‥‥』

頭が真っ白になる。
なんなら目眩もしている。
プツリとわたしの中で何かがキレる。

真紀から携帯を取り上げ、着信履歴から龍楴に電話をする。

―プルッ ガチャ


「みおん?!」

出るの早いな。
こいつ暇なのか?

『何あのメール』

わざと感情が入っていない言い方をした。

「浮気してたん‥―」

その言葉が耳に入ってきた瞬間、わたしは彼の言葉を遮り一気にまくし立てる。

『ふざけんじゃないわよ!

浮気?!
わたしが?!

仕事だっつーの!

だいたいね!仕事中に電話もメールも出来ないって何万回言ったと思ってんの?!

尻軽女だと?!

この‥‥‥っチンカスが!!

いい加減にしやがれ!!!

ここまで言われたら、もう知らない!

一切!わたしに連絡してこないで!!!

さ・よ・な・ら!!!』

息継ぎもなしに言いたいことをぶちまけ、電話を一方的に切った。