「ダッダメですっ。」





ちょっと顔を近づけたら、小さな手で唇を押さえられた。





「唇……乾いてるかも知れないし…ひゃっ!」





唇に当たる指にチュッとキスすれば飛び上がるように反応し、手を退かしてくれた。





「大丈夫だよ。それともかれんちゃんは、僕とキスしたくないの?」

「そ、そうじゃなくて……あ、う……。」


「好きな人にキスしないと本当の恋人にはなれないんだよ。」


「それは嫌です…。」


「じゃあ、キスしようね。」





なんでおかしいと変だと気づかないかな……気づかない方が都合いいんだけど、こうも真っ白だと心配になってくる。





「あ、の……どうすればいいですか?」


「じゃあ、目を閉じて……キスが終わるまで絶対に開けちゃダメだよ。」


「はい……。」





疑いも危機感もなく、素直に目を閉じる顔を見て心がざわつく。





本当はかれんちゃんの全てを今すぐ奪いたいけど、時間はまだある。





ゆっくりとじっくりと従順になるように、僕に溺れるほどに教えていこう。





次の計画を立てながらピンクの唇に口づけをした。