「かれんちゃん、かれんちゃん。泣かなくていいよ。お見合いの日は怖かったんだから仕方ないよ。自分より一回り近く年上の男なんだし、僕は怒ってないよ。それに、土曜日は僕に非があってかれんちゃんはなんも悪くない。もう泣かなくていいよ。」





優しい声で饒舌な自分が可笑しくて堪らない。





会社でも仕事の時は必要以上に話す事ないし、仕事が終わればかなり素っ気ない僕なんだけどな―――。





手を退かしソロソロと顔を上げたかれんちゃんは頬は濡れ、目には溢れんばかりの涙が溜まり、カールを巻いた長いまつ毛には雫がついている。





涙を拭いたいけど、警戒されるかもしれないから頭を撫でたのに………フワフワの髪の毛が心地よくて、気がついたら毛先にまで手を出し自分の指に絡ませていた。





なっんて、恐ろしい子なんだと思った。





こんなにも僕を虜にして……もう、ロリコンだろうが犯罪だろうがなんだっていい。





かれんちゃんが欲しくて堪らない。





「あの…。」


「ん?」


「名前で…海斗さんって…呼んでいいですか?」





脳天ぶち抜かれてしまった。