黒ずくめの比呂の後ろには3人のこれまた怖そうなお兄さん達。





比呂の言葉を聞いてかれんちゃんの事を思い出した。





慌てて駆け寄るが未だしゃがみ込んでいる。





｢かれんちゃん、大丈夫?どこか怪我した?｣





フルフルと首を振り否定してくれるが顔が上がらない。





もう遅いかも知れないが、これ以上野次馬が増えても困るから踞るかれんちゃんを抱き上げた。





｢やっ、ダメっ…。｣





やっと顔を上げたかれんちゃんは泣いていた。





｢ヤダ………降ろして…。｣





懇願するかれんちゃんを仕方なく降ろすが、またしゃがんでしまった。





どうしたのかとかれんちゃんに伸ばそうとしたが途中で手を止めた。





掌にベットリではないが、真っ赤な血が付いていた。





しゃがむ理由も降ろしてと言う理由もやっとわかった。





そうか―――――今は……。





｢やっ、ヤダァ……降ろして下さい……。｣


｢かれんちゃん、お腹痛くない?大丈夫?｣





耳元で囁くように言えば顔を真っ赤に染めコクンと頷く。