そこは、ちょっと珍しいホテル。 ヨーロッパにあるお城をモチーフにした作り。 私萌香は、こういう雰囲気が大好きなんです。 「お前らしいな」 いつの間にか ライに覗かれていたらしい、 いつもなら茶化す兄なのだが、今日は少しばかり様子が違う。 にっこり微笑み 「いつか...連れて行ってやるよ」 半信半疑に「えー、ホントに?」と言う私の頭を撫で。 「萌香が、もう少し大人になったらな。」 「なんでよッあたし子供じゃないし!」 頬を膨らませ、強く批判の眼差しを送った。 ...強く。