天使の足跡


パンを咀嚼する丹葉の丸い目が、じっとこちらに向けられている。


「太田って実は、女子……なんじゃないかって、こと……」

「……」


突然の仰天発言に、しばし絶句する。


「……バ、バカだなあ! そ、そんなの、ドラマじゃあるまいし!」


三谷は続けた。


「背丈はある方だけど、筋肉あんまり無いだろ?」

「重度の貧血のせいだって、太田が言ってた」

「声も俺らに比べて高いし……いつも個室使ってるし」

「だけど、体育の時も部活の時も、すぐ傍で堂々と着替えてんじゃん。女子だったら……あるだろ?」


言葉にするのをはばかって、両方の手で自分の胸を叩いてみせる。

三谷がコホン、と咳払いした。心なしか、上気している。


「ま、まあ、そうだよな……」

「だ、だろ? 疑いすぎだよ、三谷──」


──その時だ。


「──なら、本人に直接聞きゃいいじゃん?」


丹葉の言葉の途中に声が重なる。

ビクッと身を震わせて、二人は勢いよく振り返った。



そして、驚愕を露にする。



「──八杉……!!」



彼らが目にしたのは、感じの悪いあの三人組だったからだ。






 * * * * * *






友人たちとの話の途中で、メールが届く。

友人に気兼ねしながらメールを開くと、その内容に顔を曇らした。