この一瞬、一瞬に 確かに聞こえる明るい音色。 透き通った、澄んだ歌声。 10メートルくらい先で、ギターを抱えた天使が歌っていた。 僕は立ち止まる。 こちらに気づいた彼が、ふっと微笑みを浮かべた。 「遅いよ」 「ごめん」 互いに笑みを交わした。 そして。 僕らの距離を縮めるように── ──彼の足跡を辿るように 僕は走り出した。