「じゃぁ……明後日で」
「よしっ!!あ、詳しいことは後で連絡するから。…じゃね」
一方的に喋って卿渓さんは電話を切った。
……こっちはそんな気分じゃないのに。
薪坂さんが事故に遭って、ちょっと気が滅入ってるのに、卿渓さんと会うなんて不謹慎かな。
でもまぁ、OKしちゃった以上は行かなきゃね。
「はぁ」
溜息をついてケータイをポケットに仕舞う。
ちょうど来ていたバスに乗り込んで座席に落ち着くと、昨日行くはずだったリサイタルのことを思い出した。
薪坂さんのお姉さん、心配してるだろうなぁ。
きっと、行くって知らせてあるんだろうから薪坂さんの姿が見えないと心配するよね。
連絡しておいたほうがいいのかな。
どうしたらいいんだろうな、この場合。
というか。
それ以前に。
どうして早苗は薪坂さんが事故に遭ったことを知っていたのだろう。
普通は、家族とかに連絡が行くものだと思う。
それなのに、何の関係もない、ただ合コンをしたことがあるだけの早苗に連絡が行ったのだろうか。
いや、早苗に連絡が行ったとは限らないにしても、早苗が知っていたことはどちらにしろ不思議だ。
最近妙なこと続くなぁ……。

