資料室から出ようとした瞬間に……。






「…何処行くの?」






耳元でソッと囁かれた。





「……えっ……?」





私は直ぐさま後ろを向くと、閉め切ったカーテンの隙間から光が差し込み資料室が明るくなった。





そこにいたのは。





「桐原くん……?」






学園の王子様がいた。