反対に、自分のモノに手を出されればこれ以上ないってくらいまで相手を追い詰める。

完全なるハンタータイプだ。

久しぶりに見た伊織の本質に背筋が震えた。



「お前は何も心配すんな。」

「……嫌。自分でやった事は自分で尻拭いくらいするから。」


私だってただ守られるような、なよっちい女じゃないんだ。

やられたらやり返す。

今までは伊織にバレたくない一心で大人しくはしていた。


だけどそれも終わり。




「やられたらやり返す。

それが私でしょ?」


張り詰めた空気を払拭するようににやりと笑って見せれば、呆れたように笑った伊織に頭を乱暴に撫でられた。



「………そうだったな。そんなメグに俺は惚れたんだよな。」

「じゃあ…もっと惚れてもらおうかなぁ。」


張り詰めた空気はすでにない。
ハンターのような伊織も身を潜めて今は穏やかな伊織でいてくれる。

そんな伊織ににんまりと笑って、素直に言葉を吐く。


やられっぱなしじゃ終わらない。

もしも、伊織と一緒にいられなくなったとしても何もしないでいるよりは後悔なんてしないはずだ。



でもとりあえず、今は沖縄を堪能しよう。





――…反撃、開始…?


煌々と灯る電気が二つの動く人影を映し出す。