感情をそのまま言葉にするのが苦手だからこんな時どう言えば良いかわからなくなる。



「…ごめんなさい、私がもっとしっかりすれば…」

「萌さんのせいじゃないでしょう?悩み事を打ち明けられないのは相手を思ってだろうし…
でも伊織君とはちゃんと話さなきゃね。」

「はい…ちゃんと話します。」


調理をする手は止めずに話してくれる明さんに助けられる。

今の私はものすごく情けない顔をしていると思うから。



「ママー…ご飯まだ?」

「まだ。優、萌さんの話し相手になってあげて?一人で待つって退屈でしょう?」


小さな足音を立ててキッチンに顔を出したのは明さんの娘の優さんだった。
明さんに言われたからか、私の真正面に座ってにっこりと笑ってくれる。



「初めまして!佐々木優です。」

「あ…高波萌です。」


改めて自己紹介をするのはなんだか照れが入り、苦笑いを含ませて優さんを見る。



「メグちゃんで良い?」

「うん。じゃあ私は優ちゃんで…良いかな?」

「もちろん!よろしくね!」


人懐っこさが滲み出た笑顔はお母さん譲りなんだ、と思いながら優ちゃんの笑顔に癒された。