第67話
決断が出ないまま1ヶ月が過ぎた。
「なんで、里沙から何も言ってこないんだ!」
進行する病状に恐れている昭太郎は母親に嘆いていた。
「でも、話しはしてあるわけだし、あとは個人の意志だからねぇ」
「俺が逆の立場だったらすぐに返事するぞ!」
「そうね、里沙が私の子供なら行かせてるわ」
「どうなってるんだ!」
苛立つ大林家に里沙の反応はまだ無かった。
かつて助教授が言っていた「快く承諾する」ことは難しいというのがリアルになっていた。
専門の医師達はこのような状況を何遍も見てきたのだろう。
大林家の方針が出ないことに結論を求めるわけでなく、淡々と病状を診ながら何も言わずに診察を繰り返していた。
「断ったら、俺に死ねと言っているのと同じだろう!」
「従兄弟を見殺しにしてまで生きるのは普通ムリだろ!」
「昭太郎の友達が親にまで承諾してもらってるのに、親戚なのに返事がないってのはおかしいわよ!」
苛立ちと言葉は日に日にエスカレートしていった。
里沙の意志に期待があるからこそ苛立っていた。
決断が出ないまま1ヶ月が過ぎた。
「なんで、里沙から何も言ってこないんだ!」
進行する病状に恐れている昭太郎は母親に嘆いていた。
「でも、話しはしてあるわけだし、あとは個人の意志だからねぇ」
「俺が逆の立場だったらすぐに返事するぞ!」
「そうね、里沙が私の子供なら行かせてるわ」
「どうなってるんだ!」
苛立つ大林家に里沙の反応はまだ無かった。
かつて助教授が言っていた「快く承諾する」ことは難しいというのがリアルになっていた。
専門の医師達はこのような状況を何遍も見てきたのだろう。
大林家の方針が出ないことに結論を求めるわけでなく、淡々と病状を診ながら何も言わずに診察を繰り返していた。
「断ったら、俺に死ねと言っているのと同じだろう!」
「従兄弟を見殺しにしてまで生きるのは普通ムリだろ!」
「昭太郎の友達が親にまで承諾してもらってるのに、親戚なのに返事がないってのはおかしいわよ!」
苛立ちと言葉は日に日にエスカレートしていった。
里沙の意志に期待があるからこそ苛立っていた。



