『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第224話

 富士山はスポンジケーキに生クリームを塗られたような状況。

 冷たい風が吹き抜ける甲府盆地。

 クラロは自慢の暖炉で暖かく盛り上がっていた。

「クマとサルとウサギの話しなんだ~」

「でも、パンチがたりなくねぇ・・・」

「この話って悪いヤツがいないじゃん」

 言いたい放題の児童文学制作委員会?

「じゃあ、どうすりゃいいんだよ」

「でも、まあまあいいんじゃない」

「私は好き。ほのぼのしてて」

「どっちなんだよ・・・」
 今日もクラロのカウンターは盛り上がっていた。

 昭太郎の児童文学作品『てっぺん祭』は5回の原稿書き直しをしていた・・・。





 ここのところ家に帰ると片目の猫が迎えに出てくる。

母親は、もちろん来ない・・・。

 すっかり昭太郎になついてきた猫。

あれから大手術をして片目になった猫。

名前は『花名』。

花だと字画数が悪いらしく、花名という名前をつけられた猫。

 家に帰るとその猫を抱き上げて思いっきり撫でる。

さんざん遊んだ後に薬用石鹸で手を洗い、うがいをする。

その後はさわらない・・・。





 12月25日。

その年はホワイトクリスマスだった。

確か10年ぶりの雪の降るクリスマス。

賑わう師走の中央郵便局。

角形2号の封筒に新聞社の宛名を書き、窓口に立つ昭太郎。


[郵便料金(証紙)]定形外@140 66.0g 1通 12月25日 17:04 ¥140

と書かれた領収書を財布に入れて、なんとなくサンタに祈った。

昭太郎はロマンチストだ。昔からそんなヤツ・・・。