『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第216話

 毎晩何度も繰り返し読んでいた〈PROJECT STARTING OVER〉

 イベントの内容、プロモーション計画、世の中への影響、プレスリリースの原稿・・・企画のイメージは完璧にできあがっていたはずなのだが・・・、
独り部屋の中で葛藤する昭太郎がいる。

「人のためにやる・・・違う。自分のためにやる・・・うん・・・その気持ちが溢れる・・・結果、人のためになる・・・・そう、こんな感じがいいんだ・・・・うん、この企画は正しい。俺は間違えてねぇ・・・でも、俺には結果がねぇ・・・移植して良かったという結果が無い・・・それと、なによりも、自分に満足してない・・・っていうか、まだ自信がない・・・こんなんじゃダメだ・・・今の俺じゃ・・・ダメだ・・・」と呟きながら頭を掻きむしり。

「色々考えるのめんどくせぇから、タバコぐらい辞めよぅ」とポツリ。


 素直にやること、そして結果を出すこと。

それだけなはずなのに、その結果というものにこだわりすぎると、凄いことをやろうという気負いが生まれる。

気負いを感じたとき、昭太郎はいつもシンプルに戻ることにしていた。

今までの闘病生活の中からシンプルな考えをするようになっていた。

人間、食べて寝て笑うだけ、それ以上のことはできない。

凄いことなどできないのだ・・・エリートの最高峰の内閣総理大臣ですら3代前の名前など忘れられてしまうということ、50億歳の地球上でイエスキリストですら2000年しか名前が残っていないこと・・・さらに、名前が残ってもみんなもう死んでいるということ。


頭を冷やしてから、所詮人間なんてなにもできないだろう。

でも、つまらない人生を送るなんてごめんだ・・・楽しむ、楽しめばいい・・・人生それしかない。

そんな強引な思考で昭太郎はリセットされる・・・。