『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第215話

3番目のカウンターでアイスコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる昭太郎。

「昭太郎さん」小声で話しかける直太郎。

「?」カウンター越しに身を寄せる昭太郎。

「あの、奥のソファーで話してるパンチパーマの人いるでしょ」目配せする直太郎。

「ああ、少し怖そうな人ね」さりげなくチラ見する昭太郎。

 小声で話し続ける2人。

「そう、あの人、花火師なんですよ」

「へぇーそうなんだ」

「市川大門の花火って知ってますか?」

「ああ、山梨で一番デカい花火大会だろ、確か神明の花火大会とかいうやつだっけ・・・」

「そう、そう、あの花火大会の花火打ち上げるんですって、こないだ来たとき言ってたんですよ」

「ふーん」

「いやー、僕、いちど尺玉打ち上げてみたいんっすよ」

「あの花火大会で最後の方に上がるデカいやつ?」

「そう、ガキの頃から一度打ち上げてみたいなぁって思ってたんです」

「じゃあ、憧れの職業は花火師だったんだ」

「いや、そういうわけじゃないっすけど、一度あのでっかいのあげてみたくないですか?」

「そうねー、打ち上げてもいいって言うなら打ち上げたいけどね」

「格好いいっすよね、花火師・・・」

「怖そうだけど・・・」

「ああいう感じが職人っぽくっていいじゃないですか」

「まぁ、そういえばそう見えてくるなぁ・・・」