『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第214話

 全てが順調に動き始めた夜。

プリントアウトされた〈PROJECT STARTING OVER〉
その企画書をペラペラめくりながら(俺がこの企画をしていいのだろうか・・・。

こういうことって、「今はこうです!」って結果を出した人間がやるものなのではないだろうか・・・。

俺なんかがプランニングしていいのだろうか・・・俺はこの企画を利用して自分を律しようとしているだけなのではないか・・・)という疑問が胎動し。
「とりあえず、タバコでも辞めるか・・・」と呟いた。





 一年の中で富士山が一番それらしくない山に見える。

全体的に茶色の大きな山に見える頃。

母親が親戚のおばちゃんと電話で話している声が聞こえた。

「・・・・・・大丈夫よ、うちは大丈夫よ、昭太郎は元気にやってるわよ、最近はパソコンでビジネスをやってるみたいなの、私にはよくわからないけど自分で稼いでるの、あの子はパパに似て頭がいいからね・・・」

 あの時から母親は親戚に負い目を見せなくなっていた。


確かにネットショップは売れ始めた。

クラロに通う農家の嫁と企画した〈貸し切りブドウ狩りチケット〉がヒットして売れ始めていた。

もちろん少しずつ、もちろん小遣いレベル・・・世の中そんなに甘くない・・・・。

 
 稼いだ金は資金運用とか言いながらネット証券で新興市場などの値動きのいい株などに注ぎ込まれていた。

莫大な借金があると、小さな支出にはこだわるが、小さな収入には満足しない・・・。