第209話
深夜テレビがつけっぱなしの部屋。
ベットに座って、片足をゴミ箱に乗せている。
爪を切りながらテレビを見ていた昭太郎。
パチン!
親指から流れ出る血をボンヤリと眺めながら
「痛くねぇんだ・・・」と呟いた。
かぶせたティッシュに血が滲み、紅い円が広がっていく。
その足を見つめて、手を振り下ろした。
「痛っ・・」
振り下ろした手を振って、その手を見つめた。
「手は痛ぇーのにな・・・」
お笑い番組から笑い声が溢れていた。
★
「もっと、病気のことを考えなさい!」
体調を崩したときに母親がこのセリフを言うといつも喧嘩が始まる。
昭太郎のどこかで『一番に病気を考えているのは自分だ!』というポイントを刺激するらしく、母親は意味深く言っているわけでもないのに、このセリフから親子喧嘩が始まる。
そして後悔する・・・。
ブリスベンでの生活をまるで楽しい想い出のように話してくれる母親。
点けた電気を消して回る母親。
母親のいる部屋はいつも暑かったし寒かった。
何よりも他人に迷惑をかけることを嫌っていた母親に借金を負わせた心労を考えると胸が苦しくなる。
病気をいち早く治して楽をさせてやりたいと思う気持ちと、わかって欲しいという気持ちがあるからこそ、そのセリフは聞き捨てならないのだろう。
親に対する甘えなのもしれないが、認められたい人に認められないと悔しくて怒りたくなる。
まだ、悔しいけど治らないんだという気持ちをわかってもらいたくて喧嘩をするのだと思う・・・。
そんな喧嘩を繰り返しながらだんだんわかってきたこと。
〈自分は頑張っている〉という確信。
そして、母親が自分のことを他人に話せるようなことをやろう・・・という気持ち。
そして、夜中に「ごめんなさい。いつも感謝しています。ありがとう」という3行のメモをキッチンに残す・・・。
★
深夜テレビがつけっぱなしの部屋。
ベットに座って、片足をゴミ箱に乗せている。
爪を切りながらテレビを見ていた昭太郎。
パチン!
親指から流れ出る血をボンヤリと眺めながら
「痛くねぇんだ・・・」と呟いた。
かぶせたティッシュに血が滲み、紅い円が広がっていく。
その足を見つめて、手を振り下ろした。
「痛っ・・」
振り下ろした手を振って、その手を見つめた。
「手は痛ぇーのにな・・・」
お笑い番組から笑い声が溢れていた。
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「もっと、病気のことを考えなさい!」
体調を崩したときに母親がこのセリフを言うといつも喧嘩が始まる。
昭太郎のどこかで『一番に病気を考えているのは自分だ!』というポイントを刺激するらしく、母親は意味深く言っているわけでもないのに、このセリフから親子喧嘩が始まる。
そして後悔する・・・。
ブリスベンでの生活をまるで楽しい想い出のように話してくれる母親。
点けた電気を消して回る母親。
母親のいる部屋はいつも暑かったし寒かった。
何よりも他人に迷惑をかけることを嫌っていた母親に借金を負わせた心労を考えると胸が苦しくなる。
病気をいち早く治して楽をさせてやりたいと思う気持ちと、わかって欲しいという気持ちがあるからこそ、そのセリフは聞き捨てならないのだろう。
親に対する甘えなのもしれないが、認められたい人に認められないと悔しくて怒りたくなる。
まだ、悔しいけど治らないんだという気持ちをわかってもらいたくて喧嘩をするのだと思う・・・。
そんな喧嘩を繰り返しながらだんだんわかってきたこと。
〈自分は頑張っている〉という確信。
そして、母親が自分のことを他人に話せるようなことをやろう・・・という気持ち。
そして、夜中に「ごめんなさい。いつも感謝しています。ありがとう」という3行のメモをキッチンに残す・・・。
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