『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第207話

その〈PROJECT STARTING OVER〉は日本で脳死間移植が今よりもっとできることを目的に企画されたものだ。

しかし、それは直接ドナーを募集するものでなく、移植について考えて欲しいということが前面に押し出され、ドナーカード所持を啓発するPR企画で落とし込められていった。





大量にあった薪が少なくなってきて、暖炉の時が過ぎていった。

 春を迎えたとき、移植手術から2年を迎えた。

 いつものカフェ、いつものカウンター、いつもの3番目の席、いつものメロウ。

 そんな日々が日常になり始めた春。

「直太郎のお陰で友達いっぱい増えたわ、ありがとな」

「なんすか、あらたまって」

「いやあ、俺、今日で移植手術してから2年経ったんだ・・・。移植してから2年過ぎると死亡率がグンと減るんだ・・・・。俺、こっちにあんまり友達いなかったけど、この店のお陰でいろんな人に出会えたから」

「そう言ってもらうと嬉しいっすけど」

「この店ってすごいな」

「いや、まだまだですよ」

「まだまだって、どういうこと?」

「そうっすねぇ、この店があるとその街が変わってくような感じにしたいんですよ」

「・・直太郎!お前いいよ、やっぱいいよ。そういう気持ちがこの店を良くしてるんだな」

「昭太郎さん!今日は褒めすぎじゃないっすか、何も出ないっすよ」

「いや、感謝は言葉で表現するタイプなんだ」

「なんすか、それ」

「言わないと伝わらないじゃん、ははは。まぁそんなに構えるなよ」

「じゃ、素直に喜んどきますわ」

「おう、ありがとう」

「いえ、こちらこそ毎日のように来て頂いてありがとうございます」

「なんじゃそりゃ」

「だって昭太郎さんが言ったんじゃないですか」

「そうだっけ」

「やられたよ・・・」