『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第202話

「それだけじゃ、お店出さないだろ」と突っ込む昭太郎にいつもの人なつっこい笑顔を見せた直太郎は照れくさそうに話しはじめた。

「ははは、でも、そんなに深くないんですよ。たぶん、人が楽しんでいるのを見るのが好きなんだろうなぁ。前に話したけど、僕はコーヒーが飲めなかったんですよ、でも、ある喫茶店に行ったときに、そのコーヒーがメチャメチャ美味くて飲めちゃったんですよ、なんかすごいなぁって思ったのがきっかけで、勢いでその喫茶店に弟子入りしちゃったんですよね。ははは。まぁ、そんな僕だからできるコーヒー屋があるんじゃないかなって、始めちゃったんですよ、おかしいですかね?」

「・・・いや、おかしくないよ、いいよ、すごくいいよ」と感心して告げる昭太郎。

「そうですか、ここでコーヒーが飲めるようになったっていうお客様が2人いるんですよ」

「いいじゃん」

「まぁ、嬉しいですけど・・・昭太郎さんは何の仕事してるんですか?」

 エスプレッソマシンの機械音が店内に響く。

「俺は・・・何もしてない。自分探し中って感じだな、ハローワークからもらってる失業手当で今更ながら自分探してる。まぁ、長い人生、そんな時があってもいいだろ」

「そうですか、羨ましいですね」

「・・・・そうか、まぁ、のんびりやってるよ・・・」と嘘をついた。





居間のコタツからでると、足の親指の第一関節のところが水ぶくれで腫れていた。

 ジェリービーンズがくっついているように膨れていた。

「やけど・・・したんだ・・・」

 足の感覚神経が完全に麻痺していることを再確認し、その日からコタツの下にホットカーペットを敷いて、コタツの電源を入れるのを辞めた。