第193話
信号機のずっと奥に見える連山。今日は稜線がよく見える。
小さな通りに違和感を覚える箱形の建築物。
(こ洒落た喫茶店か?)昭太郎はガラス扉を開き、中に入った。
フローリングの床に赤い暖炉・・・辺りを見回すが誰もいない。
ダークブラウンのカウンターに赤い椅子が6つ、裸電球のような照明で黄色っぽく照らされる店内は赤と黒を基調にデザインされた空間だった。
カウンターに残された赤いマッチ箱、黒い文字で書かれた【café claro】
「カフェ・・・?」マッチを手に取るが読めない・・・。
「いらっしゃいませ!」と背後から聞こえる陽気な声。
振り返ると、白いシャツに黒いパンツの青年。
人なつっこそうな青年が笑っている。
「・・・やってるんですか?」
「やってますよ、失礼ですね・・・あまりお客は来ないけど・・」と笑顔の青年。
「ここ・・・喫茶店ですよね?」
「カフェです。カフェ・クラロです」
「そうですか、じゃあ、コーヒーを下さい」と言ってカウンターに座った昭太郎。
「うちはコーヒー屋なんで、種類がいろいろあるんですけど」と渡されたメニュー。
コーヒーの香りが漂う店内。
ネルドリップをビーカーに落とすマスター。
静かにジョンレノンが流れている。
店長の名前は保阪直太郎、27歳。同じ【太郎】繋がりで盛り上がり、保阪の〈サカ〉は大阪の〈サカ〉だと繰り返していたマスター。
最近店を始めたことからはじまり。
昔はコーヒーが飲めなかったと自慢げに話すマスター・・・。
『メロウ』という名のコーヒーを飲みながらカウンター越しにサシで盛り上がった。
その日は昭太郎が31歳になった日だった・・・。
誕生日の夜、ベット前の貼紙を眺めながら1つのことに気付いた。
喫茶店で座って話している俺は・・・普通の人に見えてるんだ。
★
信号機のずっと奥に見える連山。今日は稜線がよく見える。
小さな通りに違和感を覚える箱形の建築物。
(こ洒落た喫茶店か?)昭太郎はガラス扉を開き、中に入った。
フローリングの床に赤い暖炉・・・辺りを見回すが誰もいない。
ダークブラウンのカウンターに赤い椅子が6つ、裸電球のような照明で黄色っぽく照らされる店内は赤と黒を基調にデザインされた空間だった。
カウンターに残された赤いマッチ箱、黒い文字で書かれた【café claro】
「カフェ・・・?」マッチを手に取るが読めない・・・。
「いらっしゃいませ!」と背後から聞こえる陽気な声。
振り返ると、白いシャツに黒いパンツの青年。
人なつっこそうな青年が笑っている。
「・・・やってるんですか?」
「やってますよ、失礼ですね・・・あまりお客は来ないけど・・」と笑顔の青年。
「ここ・・・喫茶店ですよね?」
「カフェです。カフェ・クラロです」
「そうですか、じゃあ、コーヒーを下さい」と言ってカウンターに座った昭太郎。
「うちはコーヒー屋なんで、種類がいろいろあるんですけど」と渡されたメニュー。
コーヒーの香りが漂う店内。
ネルドリップをビーカーに落とすマスター。
静かにジョンレノンが流れている。
店長の名前は保阪直太郎、27歳。同じ【太郎】繋がりで盛り上がり、保阪の〈サカ〉は大阪の〈サカ〉だと繰り返していたマスター。
最近店を始めたことからはじまり。
昔はコーヒーが飲めなかったと自慢げに話すマスター・・・。
『メロウ』という名のコーヒーを飲みながらカウンター越しにサシで盛り上がった。
その日は昭太郎が31歳になった日だった・・・。
誕生日の夜、ベット前の貼紙を眺めながら1つのことに気付いた。
喫茶店で座って話している俺は・・・普通の人に見えてるんだ。
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