『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第183話

「相談の結論か?」

「はい、一ヶ月いろいろ考えたんですけどやっぱりよくわかりません」

薬を水で流し込んだ君塚は咳払いをして続けた。
「工藤知ってるか?」

「はい、もうじき目が見えなくなるっていう方ですよね」

「そうだ、あいつは自分を受け止めた。そしてこれからの生活を楽しもうと点字の練習をし始めた。学校に行くことが楽しいって言ってる」

「そうですか・・・」

「そうだ、お前も逃げるな」

「・・・はい」

「大林はややこしくいろいろ考えてるみたいだけど、騙されたと思って俺を信じてみろ。まず受け止めろ、そして満足する。そうしたらお前は世界が見える。これだけだ。・・・・ちょっと待て」

 携帯電話を取り出す君塚。
「大林の電話番号を入れてくれ」

 携帯に打ち込む昭太郎。携帯を手渡すと昭太郎の携帯が震えた。

「俺の番号だ。もし、騙されたと思ったときは電話してこい」

「・・・ありがとうございます。やってみます。ホントにありがとうございました。・・・最後に訊きますけど・・・君塚さんはお坊さんですか?」

「教えない」いつもの不敵な笑みを浮かべる君塚。

「はい、ありがとうございました。君塚さんに会えて良かったです」

 深く頭を下げた昭太郎。



 【あの時の僕は君塚氏の言っていることが少しずつわかりかけていたのだが、今の自分に満足するということが想像できずにいた。
まず今の自分を受け止めることから始めよう。
そう思い始めていた。
病院には、すげぇ強いヤツがいっぱいいる・・・。】