『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第182話

「君の言ってた好きか嫌いかしかないってやつ、結構考えさせられるよ・・・」

「だから考えちゃダメなんだって」

「そういうもんか」

「そうゆうもんですよ」

「で、その『好き』で唄創ってるのか?」

「まぁ、そんな感じですけど、創るのは誰にだってできますよ。俺は創ったモノを壊すんですよ」

「せっかく創ったモノを?」

「そう、せっかく創ったモノを壊すんです。そうすると、そこに小さな炎みたいなモノが出てくるんですよ。そしてまた創る。で、また壊すの繰り返し」

「三島君と君塚さんの言ってることはややこしいな」

「君塚さんのは良く知らないですけど、俺の創るは壊せないと始まらないんですよ」

「アーティストってそんなもんか?」

「よくわからないですけど、壊せない人はダメなんです」

「ストイックだね」

「好きでやってますから」

「そうか・・・」
 タバコをふかす肺気腫ロッカー三島、静寂のオアシス。

窓から見える空は何も語らない・・・。





 その数日後。

病院を抜け出してライブに参加した三島は会場で倒れて緊急手術を受けた。





 予想通り面白かった入院生活も明日で終わる。

薬の調整も終わり、無事退院することになった昭太郎。

夕食後のゆったりとした時間帯に君塚の部屋を訪れた。

ベットで薬を飲む君塚が昭太郎に気付いた。
「大林じゃねぇーか、どうした?」

「明日、退院するんでご挨拶に」

「そうか、退院か、よかったな」

「はい、お陰様で楽しい入院生活でした。ありがとうございます」

「なんだ、そんなこと言うためにここに来たのか」

「はい、あと・・・」