『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第180話

「よくわかりません、自分が頑張ることで人生が変わると思ってます」

「ひとは1人では強くなれないんだよ、1人でやれることなんて大したことじゃない。この病院を見てれば人は生かされているということがよくわかる」

「みんな頑張ってるじゃないですか」

「病人は医者に助けられていると思うか?」

「はい」

「医者は病人に助けられていると思うか?」

「よくわかりません」

「医者は病人がいるから生きているんだよ、病人に生かされているんだよ」

「病人がいなくちゃ、医者はいないってことですか?」

「そうだ、1人では何もできないってことだ」

「んー・・・、なんとなくわかるような、わからないような」

「自分の人生を生きろってことだ、らしく生きてもしょうがないってことだよ」

「やりたいことをやれってことですか?」

「まぁ、簡単に言うとそうだが、少し違う。おまえとして、やることをやれ」

「どうすればいいんですか?」
 弱気な目で伺う昭太郎の顔を一瞥した君塚。

「まず受け止めろ、それからだ。今の自分に満足する。それから世界が見える」

「満足なんてできないですよ、身体ボロボロだし、苦しいばかりで・・・」

「だから、まず満足することから始めなさい、そうしないと、やりたいことは見えてこない」

「・・・・・・よくわかりません」

「お前は受動的集中がたりない。心を休めてやれ」

「受動的集中ってなんですか?」

「まぁ、今日はこの辺にしておこう。まだここにいるんだろ」
 灰皿にタバコを押し消す君塚。

「はい、まぁ・・・」

「じゃあ、ゆっくりやろう。ワシはもう寝る」

独りオアシスに残された昭太郎。

考えても考えてもよくわからなかった。

カンコーヒーを買って戻ってタバコをふかしたが、やっぱりよくわからなく迷宮に入りこんでいだ・・・。

そして、1つ思い浮かんだ・・・「君塚さんは絶対に坊主だ!」