『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第178話

 夕食前のオアシス。

風呂上がりのヤツ、点滴ポールを抱えたヤツ。

車イスなヤツ。

夕暮れのオアシスに風が吹き抜ける。

「さぁ夕飯の時間だ!」と言うヤツの一言で、みんなが立ち上がる。

デーンと構える君塚に怖々と声をかける昭太郎。
「あのぉ、今日の夜、相談したいことがあるんですけど」

「わかった、じゃあ、消灯後の・・・夜10時から付き合ってやる」

 昭太郎はとうとう君塚人生相談所に予約を入れた・・・・。


 昭太郎は消灯後、イヤホンでTVを見ながら横になっていた。9:45のデジタルを確認して立ち上がる。

ナースステーションを通り過ぎながら看護師に「タバコ吸ってくるわ」と声をかけ、エレベーターに乗った。

色々な質問を確認しながらオアシスの扉を開けた。

 佐々木小次郎のごとく待っていた君塚だった。

他には誰もいなかった。

「早いじゃないっすか」少し焦った昭太郎に

「そうか」それだけ言って不気味な笑みを浮かべる君塚。

 君塚の横に並んだ昭太郎は「なんか飲みますか?」と伺った。

「いや」とだけ言う君塚。

 静寂なオアシス・・・。

「君塚さんは何の病気なんですか?」

「教えない」カワイイ風なトーンで不気味な君塚。

「君塚さんは何してる人なんですか?」

「教えない」ニヤッと笑う。

「社長さんでしょ」

「俺は誰にも教えない」オヤジらしからぬワガママ調で答え続ける君塚・・・。

「もしかして、お坊さんですか?」

「だから、教えない。大林は俺に相談があるんだろ」

「はい」

「じゃあ、それから話せ」