『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第175話

 薬の調整がメインで検査も少ない今回の入院ではオアシスに出向く回数も増えていた。

 相変わらずの君塚人生相談所は大繁盛。

外見はどっからみても普通のオヤジな君塚。

少し小太りで病院寝間着を着た普通のおっさんだ。

かけてるメガネも普通の金縁フレーム。



 サシとはいかなかったが、3ショットのチャンスが現れた。

 タトゥが右の肩に入った兄ちゃんと君塚が語り合っているところにファーストアプローチをかました昭太郎。

「こんちは!」丁重に頭を下げる。

 忙しい訳ない病人同士は、ただの挨拶から会話が始まる。

「おう、最近入院したのかい」余裕の挨拶が返ってきた。

「はい、一年前にここで入院してたんですけど、経過検査と薬の調整で2日前から来ました」

「そうか、随分痩せてるけど、何の病気だ?」

(おぉ、きたきた!この流れ、病気の大きさだったら負けないよ!)

「はい、神経の病気で、一年前にオーストラリアで脳死肝臓移植を受けて来たんですよ」と意気揚々に答える昭太郎。

「まじっすか!すごいっすね」予想通りの反応をかますタトゥ兄ちゃん。

「それは外国で肝臓を取り換えたってことか?」まだまだ余裕の君塚。

「はい、そうです」堂々とする昭太郎。

「そうか、腹カッ裁いて交換。怖ぇことするじゃん」とわりと冷静な君塚。

(あれぇ、大臣クラスの扱いと興味の的になれるはず・・・?)

「外国の医者はすげぇなぁ」

「はぁ・・・」思わずこぼした昭太郎。

「なんだ、すげぇなぁとでも言って欲しかったのか。だって、あんちゃんは麻酔して寝てただけだろ。手術したのは医者だろう」

「いや、別に・・・」

(いや、別にじゃなくてズバリじゃねぇーか、やっぱこのおっちゃん、一味違う・・)

「いや別にそういうわけじゃなくて、君塚さんは何の病気なんですか?」

 昭太郎は咄嗟に動揺を隠そうとしたのか話題を変えた。