『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第173話

 今回は体調を崩した入院でないことから、少し気楽な入院生活を送っていた。

 一年前に仲良くなった看護師と話しながら薬の調整と採血を繰り返している。

 就寝時間まで後1時間。

テーブルの引き出しからタバコを取り出して、懐かしのオアシス喫煙所に向かった。


隔離された喫煙所の扉を開けると、そこには10人もいれば満員になるソファーに8人が腰をかけ、車イスが2台と満員状態で煙は充満していた。

席を詰めてもらった昭太郎は腰を下ろしてタバコを取り出した。

「聞いておくれよ~!同室の若い女のテレビがうるさくって寝れやしないよ!」
 少し太めのおばちゃんが愚痴りながら席をこじ開けて、タバコをふかし始めた。

 その声のデカさとガラの悪さに押されて静まり返るオアシス。

 そのおばちゃんに話しかけたのは喫煙室の主というかこの喫煙室の話題を司会者のようにまわしていた50過ぎのおっちゃんだった。

「どうした」

 おっちゃんの顔を確認したおばちゃんは早口で話しはじめる。
「君塚さん!聞いてくれよ、看護師に言ったらさぁ、まだ就寝時間じゃないから我慢してだってよ、病室ってのは静かで当たり前じゃないのかね、その看護師に文句言ってやったよ。あたしゃ、喫煙所で寝るからねって」

「そうかい、でも看護師さんは若いんだから、あんたがそんなに怒らなくたっていいんじゃないか」低い声でなだめるおっちゃん。

「ダメだよ、わたしゃ怒るよ、テレビつけてる若い女を叱ってくれなきゃ帰らないからね」

「叱ってくれなかったらどうするんだ」

「この病院からでるよ、こんなところに居れるかい!」

 ・・・・・

「バカ野郎!」急に怒鳴る君塚?という名前のおっちゃん。