第170話
待合室にいる母親と目があった瞬間、向かいの部屋から声が聞こえた。
「オンギャー!オギャー!」
赤ん坊の泣き声が聞こえる。
「産まれたわ!」母親の表情が晴れる。
「今?」
「そう、今産まれたのよ」
「ほんと!」
「そう、あなたがここに入ってきた瞬間に産まれたのよ」
「そう!なんかすごいじゃん」嬉しそうに話す昭太郎。
「ほんと、凄いタイミングよね」
「早い出産だな」
「ほんと、あっという間に産まれたわね、でも、この時間なのにあなた元気ね」
「おお、なんか元気みたいだ」
「あなたもオジサンね」
「かーちゃんだってバーチャンだろ」
水色の制服を着た看護師から了解を得て、分娩室の銀の扉を開ける。
立ち合った旦那の信彦が爽やかな顔をしている。
「やったなぁー!すげえなぁー!男の子だってな」
「ママ・・・、お兄ちゃん・・・」疲れ切った表情の麻由美は笑顔をつくった。
「良かったわね、早産で」と母親
「早産だったの・・・、よくわからないわ・・・」フラフラなのがよくわかる声質。
「お兄ちゃん・・、こんな時間に元気じゃない・・・」と麻由美が続けた。
ハニカミ笑顔の昭太郎は
「なんだよ、今のお前に言われたくないよ」と言った。
幸せな笑いが分娩室を包み込む。
その部屋の看護師達は忙しく片付けをしている・・・。
その冬、一番に冷え込んだ日に赤ちゃんが産まれた。
30歳になったばっかりの昭太郎は初めて叔父さんになった。
【あの時の僕は産まれてきた新しい生命と自分を重ね合わせていた。
この子は今から大きく成長していく。
そのうち立ち上がり、歩き始める。
俺も今から成長していかねばならない。
同じ歳に産まれた生命に何かを感じていた。
大人気なくライバルを見つけた・・・。】
★
待合室にいる母親と目があった瞬間、向かいの部屋から声が聞こえた。
「オンギャー!オギャー!」
赤ん坊の泣き声が聞こえる。
「産まれたわ!」母親の表情が晴れる。
「今?」
「そう、今産まれたのよ」
「ほんと!」
「そう、あなたがここに入ってきた瞬間に産まれたのよ」
「そう!なんかすごいじゃん」嬉しそうに話す昭太郎。
「ほんと、凄いタイミングよね」
「早い出産だな」
「ほんと、あっという間に産まれたわね、でも、この時間なのにあなた元気ね」
「おお、なんか元気みたいだ」
「あなたもオジサンね」
「かーちゃんだってバーチャンだろ」
水色の制服を着た看護師から了解を得て、分娩室の銀の扉を開ける。
立ち合った旦那の信彦が爽やかな顔をしている。
「やったなぁー!すげえなぁー!男の子だってな」
「ママ・・・、お兄ちゃん・・・」疲れ切った表情の麻由美は笑顔をつくった。
「良かったわね、早産で」と母親
「早産だったの・・・、よくわからないわ・・・」フラフラなのがよくわかる声質。
「お兄ちゃん・・、こんな時間に元気じゃない・・・」と麻由美が続けた。
ハニカミ笑顔の昭太郎は
「なんだよ、今のお前に言われたくないよ」と言った。
幸せな笑いが分娩室を包み込む。
その部屋の看護師達は忙しく片付けをしている・・・。
その冬、一番に冷え込んだ日に赤ちゃんが産まれた。
30歳になったばっかりの昭太郎は初めて叔父さんになった。
【あの時の僕は産まれてきた新しい生命と自分を重ね合わせていた。
この子は今から大きく成長していく。
そのうち立ち上がり、歩き始める。
俺も今から成長していかねばならない。
同じ歳に産まれた生命に何かを感じていた。
大人気なくライバルを見つけた・・・。】
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