『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第167話



何かを感じようが、心が安定しようが、いつものごとく体調は悪化する。

病はいつも無情だ・・・。

病が気で治るのなら昭太郎は相当に気の小さい男だと断定される。

熱が出れば入院して抗生剤の点滴を受ける。

そういうことだ。

今の昭太郎は穏やかだった。

グッとこらえる表情に余裕すら見え始めていた。


毎日とはいかないが、血圧がうまく正常になる日の夕方から3時間はカラータイマーが青になる時間帯だった。

わかりやすく言うと、吐き気と怠さが治まる夕方から動き始め、体力の限界でラフラしてくるのが3時間後ということだ。

昭太郎の1日でこの3時間が唯一体調のいい時間で、あとは怠いばっかりで横になっていた。

しかし、考え方によれば1日に3時間は自由な時間があるとも考えられるし、昭太郎はそう考えていた。


昭太郎は車を手に入れた。

10年落ちのオートマ車だったが、昭太郎が好きな4WD。

どこにいくでもなくカラータイマーが青な時はその車に乗って出かけた。

ひとりで動ける自由を味わって楽しんでいた。

もちろん好きな音楽をかけてタバコをふかしながら走らせていた。

そしてドリンクホルダーにはカンコーヒーが置かれていた。


今の昭太郎には車を運転することは現実逃避でもあった。

思うように動く車が心地よかったし、他の人と変わらないスピードで走れることが嬉しかったのだ。

流れる景色、入りこむ疾風、全てが懐かしく待ち望んでいた空間だった。