『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第138話

先のことを夢見るのを壊すのは逃れられない吐き気がキッカケだ。

しかし、死にたくなる気持ちを消してくれたのもえげつない吐き気だった。

吐き気で苦しみのたうちまわっているうちに、楽になりたい。

静かな時を過ごしたいと思わせてくれたのも吐き気だった。


退院してから久しぶりに外出をした昭太郎。

 いつもの坂道を登り、トンネルを越える。
慣れた路を下って商店街のベンチに腰を下ろした。

後ろのポケットから取り出したタバコをくわえた。

 タバコをふかす自分が懐かしかったのと同時にタバコをふかしている自分は少し元気になったような気がしてくる。

昭太郎はふらつきながらも、くわえタバコで歩き出した。

小さな商店街の片隅に電飾の光る場所がある。

昼間から酒を食らう外人達に紛れて、ルールもわからないスロットマシンを見つけた。

 横に座る白人オヤジの一連の動きを真似しながらコインを入れ、ボタンを押していた。

賑やかに流れるゲーム音響に浸かりながらコインを入れる。

タバコをふかしてコインを入れる。

そんな単純な作業を繰り返しながらボーっとしていた。

 フィーバーしてるのかどうなのかも良くわからないままゲーム音響が鳴り響く。

「つまらねぇ、次はカジノに行こう・・・」