『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第136話

 独り部屋に残された昭太郎は怒鳴ったことで少し体調がいいと感じていた。

 怒鳴ったことよりも体調が良くなったことを一番に感じる自分は最悪だなと思いながらも、血圧の上がったことに安心する自分は病人なんだという現実も再確認していた。

 泣くこと怒鳴ることで血圧が正常になる。

独り無音の部屋に残され、だんだん冷静になってくる・・・。

(僕のせいで親が犠牲になってこんな異国に来る羽目になったのだ、僕のせいでお金が無くなったのだ、迷惑をかけていることが辛いのに・・・・暴言まで吐く自分は最悪だぁ・・・)

 自己嫌悪に襲われて、また泣きだした。

まるで子供のように・・・

泣きじゃくっていた。


今日来た武藤夫婦は全国規模の暴力団の組長だった。

病人というのは不思議である。

お偉いさんでも暴力団でも仲間意識から仲良くなれる。

もし、普通に出逢っていたら頭を下げたり絡まれるという間柄なのに、同じ病人というだけで仲良くなれる。

そして、外国であることからもっと親近感が湧いて仲間意識が強くなるのだ。




 【あの頃の僕は確かに甘えていた。
病人は苦しいことがわかって欲しいのだ。
わかってもらっても良くはならないのに、苦しいこと、痛いことで思いやる気持ちが持てなくなってくる。
苦しい表情をしているヤツと一緒に住んでいる母親の辛さをわかろうとしていなかった。
そしてそんな俺に母親が言ってくれた言葉は今でも忘れない。

「苦しんでも、痛がっても、嘆いても、何をしたって自分の時間だから、大切にしなさい」】