『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第135話

今日は兵庫から新たに移植待機をしに来た武藤夫婦の新入生歓迎会のような恒例の儀式が行われていた。

母親は会から帰って来るなり昭太郎を怒鳴りつけた。
「まったく、自分のことしか考えてないんだから、新しく来た人に挨拶もしないで、もう、情けない・・・毎日、痛い、苦しい言われてる身にもなりなさい!」

仁王立ちの母親の顔は少しやつれていた。

「痛いし苦しいんだからしょうがねぇーだろ」ベットでうずくまりながら答える昭太郎。

「そんなこと言わなくてもわかってるわよ、一緒に住んでる人の身にもなりなさいっていってるの!」

 まるで小学生の子供を叱りつけるような母親。

「我慢しろって言うのかよ!」子供のように反論する昭太郎・・・。

「そうよ!我慢しなさい!」

「少しは俺の辛さもわかってくれよ」

「そんなのわかりません!」

「痛てーもんは痛てーんだよ!」

「そんなこと毎日聞きたくないのよ!」

「しょうがねぇーだろ!」

「泣いたって苦しんだって何も変わらないの!日本にいたらもっと心配で、もっと辛いのよ。ここにいるということは手術が待ってるの!希望があるの!」

「でも苦しいんだよ」

「でもじゃありません!いつまでも甘えてるんじゃありません!」

「甘えてねぇーよ」

「あなたの傍にいるとこっちまで吐き気になってくるわよ!」

 昭太郎は布団を投げ飛ばし、怒鳴った。
「・・・・・うるせぇ!お前に何がわかんだよ!」

「お前ですって!私はお前なんて言われたことはありません!」

「知るか!」
 年齢を感じさせない親子喧嘩・・・生意気な反抗期のような昭太郎の言葉に・・・

 バタン!思いっきり扉を閉めて外に出て行った・・・母親。