『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第123話

 ひとしきり笑い合った仲間達。

笑いが退いた後に残る空しさ・・・。

少し無理をしていたテンション。

砂浜に並んで腰を落とす4人。

「ここに来れてよかったよ、ありがとう」と昭太郎が砂を掴みながら言った。

「なんだよ、ありがとうとか言うなよ、気持ち悪りぃ」光隆も手からこぼれる砂を眺めていた。

「いや、なんかここに来れたら変わるような気がしてたから」

「何か変わったの?」と綾乃が訊く。

・・・

「変わった自分を感じた」と昭太郎が呟く。

・・・・・

「何言ってんだよ、詩人じゃねぇーんだから」

「そうそう、暗い、暗すぎるぞ昭太郎」

「お前が言うと笑えねぇーだろ」

「厳しいね、君達」

「当たり前だろ、俺は昭太郎の前向き根性で何度も説教されたからな」とぼやく勇介。

「はいはい、すいませんでした」

「明るく行こうぜ!昭太郎」

「悪りぃ、ごめん、もう言わないよ」

「そうだ、悪いよ、明るいのが一番でしょ」

「変わるさ、移植の順番なんかあっという間に来るよ」

「そうだな」

「そうだよ、笑ってたオッちゃんに順番がまわって来たんだろ、じゃあ昭太郎にも来るよ、さっき大笑いしてたからな」

 寄せては返す波を見ながら語ってた。

夕陽が大きくて嘘みたいだった。

 絵はがきみたいな景色に言葉が途切れた・・・。





 広大な野原でのバーベキュー。

病院の中にある秘密の隠れ場所を得意げに案内した昭太郎。

近くの商店街への散歩コースを一緒に歩いた。

シティーホールの芝生でニカッと笑う留学高校生のことや今まであったことを話しながら島唄をラジカセで流していた。

そのときに勇介が由紀の名をポロッともらして光隆と綾乃に殴られていた・・・。

昭太郎は言葉を飲み込んだ・・・。



 【あの頃の僕は仲間に逢えて嬉しかった。
しかし、仲間達が僕の知らない人々と出会って、成長している姿を見るのが辛かった。
僕だけ取り残されているような気がしいてた。
僕の知らない世界に嫉妬していた・・・・。】