『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第113話

 赤いソファに白いテーブル。

向き合う2人。

少しぎこちない雰囲気にメニューを手に取る女子高生がペラペラと注文を済ませた。

「英語うまいなぁ」とポツりと言った昭太郎に

「兄ちゃん、足悪いん?」と爽やかに訊いてきた女子高生はニカッと笑う。

「おお、病気でな、手術受けるためにここに来たんだよ」

「そうかー」と関西イントネーションのゆるい感じ。

「そうかーって、ちょっとは驚けよ、それと兄ちゃんじゃなくて・・・」
 昭太郎は片手を前に出しながら話した。

「じゃあ、昭太郎は何の手術で来たん?」
 ペースを崩さない関西女子高生・・・。

「昭太郎って呼び捨てかよ、10コも違うのに」

「ここは外国やで、ファーストネームで呼ぶのが普通やん」

「そうか、まぁいいや、俺もチサって呼ぶわ」

「で、昭太郎は何の手術で来たん?」

「おお、肝臓、肝臓移植。移植手術受けにオーストラリアに来たんだよ」
 結構素直に言える自分に少し驚いていた昭太郎。

「そうかー、大変やね」

「そんだけか」

「そんだけやけど、もっと心配して欲しかったん?」

「別にそういう訳じゃないけど」

「チサは何でここにいるんだよ」

「うちは留学やで、交換留学生。ここで6ヶ月勉強してから帰んねん」

「そうか、勉強してんのか」

「そうや、うち、将来英語が話したいねん、いろんな所に旅に行きたいねん」

「そうか、夢があっていいな」
 その言葉にニカッと笑顔で応えるチサ。

 ウェイトレスがコーヒーを並べた。

 昭太郎と一緒でチサも日本人に飢えていたようだ、チサの夢の話、病気の話、今までの恋の話、ここでの色々な話・・・。
尽きることなく色々話しまくっていた。

「昭太郎、話しの割には元気そうやん」

「そうか、ありがと、チサも高校生の割にはちゃんとした考え持ってるじゃん」

「そうかー、サンキュー」
 話しはやっぱりチサのペースだった。