『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第103話

「磯野さんは高齢だったし、癒着も多くて大変だったらしいわ」

「でも、成功だったんですか?」

 覗き込むように訊いた昭太郎に笑顔で応えた倉本。
「もちろん成功よ」

「なんかすげーな、こっちに来てから移植手術し終わった人はいたけど、移植手術を受けた人はいなかったから・・・なんかすごいっすね、ほんとに来るんだ順番。順番は来るんだ」昭太郎は何だかワクワクするような感情がこみ上げてくるのを感じながら言っていた。

「そりゃあ来るわよ、あなたもその為にここまで来たんでしょ」

「そうですけど、やっぱ凄いですよ、磯野さんに会えるんですか?」

「2、3日はICUにいるけど、4Bに移動したら会えると思うわ」

「4Bか、移植したらB棟なんですよね、なんかB棟っていいよな、憧れますよ」

「そうよ、あなたもいつまでもE棟じゃなくてB棟に行けるといいわね」

「行きてぇーな、B棟・・・・4Bか」

「その為には健康を保つこと、それしかないからね」

「はい・・・がんばります。そうかぁー、磯野さん移植したかぁー・・・」

 倉本とエレベーターで別れた昭太郎は4F・3F・2F・GFと流れる電光掲示を眺めながら考えていた。

 1年以上待っている人もいれば、すぐに手術ができる人もいる。

神様は何を基準にしているんだろうか?・・・。

納得していた。
ああいう人に順番が来るんだと、笑う門には福来たる・・って感じだろ。

あの人ならそうであっても不思議じゃない・・・。

勝手に納得している昭太郎がそこにいた。

エレベーターの扉が開き、ガラス越しに陽が射す明るい廊下をゆっくり歩いていた。