「なんでそんなに、俺のことかばうんだよ」


確かに内野コーチの言ったとおりだ。



なぜだろう?

内野コーチを悪者にしたくない。



内野コーチはフーと息を吐き言った。


「俺も、心空みたいに監督とこうして話せてたら、バスケ辞めなかったのかな?」


「内野コーチ・・・・・・」


「お前は偉いよ。こんな俺を恨むことなく慕ってくれて。俺、お前に俺がいいって言われて、本当に救われたんだ」


内野コーチの寂しそうな顔を見ていたら胸が切なくなった。

私は無意識に、本当に無意識に内野コーチの手を握っていた。


青いライトに照らされた内野コーチの瞳。


瞳の中で、青いライトがヒラヒラと踊っているみたいだ。




内野コーチも私の瞳の中に同じものを見ているのかな?




「心空・・・・・・」


内野コーチの手が私の手からスルリと抜け、私の後頭部を優しく包んだ。



内野コーチの唇が私の唇に近づく。