手放せないのは
もちろん
秘色を愛しているから

でも、それだけじゃない

それ以上に、二人が
ひとつになるのが
赦せない。

男でも、嫉妬なんて
感じるのか?

俺は、嫉妬に
狂っているのか?

寝室のベッドに一人・・・
伊吹に脱がされた洋服を
集めて、身に纏いながら
私は想った。

どんな顔をして、芳野に
逢えばいいの?

下へ降りていくのが怖い・・・

芳野の瞳が怖い。

芳野の顔を見れない。

今、二人は
何を話しているのだろう?