ガラッ 教室の視線が扉に集まる。 私の視点もそこに集中する。 「また遅刻?遠藤くん」 英語の担任久遠先生は、はぁとため息をつきながら言う。 「また遅刻だねえ、ごめんね」 そいつはにんまりと笑って自分の席に着く。 そう、そこはさっきからガラ空きだった私の隣。 ………なんで私、この席なんだろ。