★この小説は、日足が経験した実話をもとに書いていますが、登場人物の名前は仮名です。






みなさんは〝夢の跡〟を感じたことはありますか?


たとえば、
悲しい夢を見たとき、起きたら本当に泣いていたり、
夢で怪我した場所が痛んだり、

夢の中で出会った人が本当にいる、と感じたり……


日足はよくあります。


今でも時々、卓海の夢を見ますが、
入学式の朝の夢で卓海を見た時は、本当は泣いてしまいました。

自分の弱さと、卓海がいない現実をつきつけられた恐怖と……。


日足にとって卓海は『親友』と呼べるほどの仲ではありませんでしたが、
やっぱりその人との思い出や共有した記憶がある、というのは、
後々重く感じました。