朝日の気配を感じて目覚めた。


いつものアラームを止め、ベッドの上に体を起こす。



温かい感覚の残っている自分の手を押さえた。



『もう1人で泣いたりするなよ』



一瞬、卓海の笑顔が脳裏をよぎる。



僕をバカにする卓海
夏風のような微笑み
不器用な言葉
本当は誰より優しい手……