卓海が僕の手元を覗き込んでくるので、僕も覗こうとした。


「卓海、何て書いた?」

「見んなよ、バカ」

「お互い様だろ」

「俺はいいんだよ」

「なんだそれ!」


卓海は僕の

『どんな人と結婚したいか』

という欄を見て、口を開けて笑った。


「『優しい人』って、不特定多数じゃん! 
……あ、やっぱり加藤さんのこと?」

「何で加藤なの。そこから離れてよ」